49話 - エルダーの知識(3) - Skyrim RP日記  

空と雪と葡萄色

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49話 - エルダーの知識(3)

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Bymagmel

ロードと一旦別れ、大学で出発の準備を整える。
昨日オンマンドに教えてもらった千里眼の呪文をドレビスから教えてもらい、これからの旅に役立ちそうな呪文の書もいくつか調達した。

準備の途中、付呪台を見てあることを思いつき、オールド・フロルダンで商人に貰った首飾りを取り出す。
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付呪はあまり得意ではないから効果のほどは分からないけど、気持ちだけでも…。
大学で貰った魂石を用意し、特殊効果を付与した。

大学での用を済ませ、雑貨屋に行くと既に準備を済ませた二人が待っていた。
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「お待たせしました」
「メル。買出しはもう済ませてある。お前の用事は済ませたか?」
「ええ。装備も整えて、呪文の書もいくつか調達しておいたわ。今日は良い天気だから氷原を渡るには丁度良いわね」
「そうだな。だが目的地までどのくらいの距離を歩くか分からない。早めに出発しよう」
ルーシスに頷き、ロードを見た。
「ごめんなさい、出発前に一つだけ。…ロード」
今朝のこともあってか、視線を合わせるのが少しだけ気恥ずかしい。
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首飾りを取り出し、ロードに手渡す。
「ん? これは…」
「ドラゴンに遭遇することも増えてきたので、対ファイアブレス用に炎耐性の効果を付呪しました。首飾りは頂き物なのですが…良かったら」
「あ…ああ」
ロードは少し戸惑った様子で首飾りを受け取るとそれを首にかけ、照れたように笑った。
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「突然のことで驚いてしまったけど…。ありがとう、大切にするよ。これで炎の中にも安心して突っ込めるな」
「こ、効果は微々たるものなので、お守り程度と思ってくださいね」
慌てて一言付け加える。ロードが言うと冗談なのか本気なのか分からない。
今度はもっと効果の高い付呪をしよう、と心に決めた。

笑顔で見つめ合っているとルーシスの咳払いが聞こえた。
「…ンン。もういいか? 店主も見ているぞ」
ハッとしてカウンターを見ると、店主が指をトントンと叩きながらこちらを見ていた。
「あ…ごめんなさい」
「二人の世界を作るのはいいが、あまり人に見せ付けてくれるな。それと、贈り物は私のいないときにこっそり渡せ。ロードだけでは私が僻むぞ?」
「そ、そうね。考えなしだったわ…ごめんなさい」
謝るとルーシスは笑った。
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「ハハ、冗談だ。…お前がそうやって幸せそうな顔をしてくれるなら、私は何も要らないからな」
ルーシスに言われて初めて、自分が思いの外に顔を緩ませていることに気付いた。

宿屋に馬を預け、徒歩で氷原を渡ることに決めた。
セプティマスの棲家を心に念じ、早速覚えた千里眼の呪文を唱える。
はっきりと道筋が現れた。
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「この道筋を辿ればいいのね…。行きましょう」
粉雪が降り始めた。吹雪く前に目的地に到着できるよう祈って、ウィンターホールドを出発した。


道筋は氷原を指し続け、ただひたすら辿って歩き続ける。その途中、流氷を渡らなければならない場所に差し掛かった。
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「さすがにこの流氷を飛び跳ねながら渡っていくのは危険だな…」
ロード達が流氷に足を乗せると、氷はグラグラと不安定に動く。
「心臓も凍えるほど冷たい海水で水浴びはしたくなかろう。どうするメル」
「安心して。こんなこともあると思って、魔法を覚えてきたの」
その呪文を唱えると、私の周りは水の膜で覆われた。
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「水の防護という魔法よ。火炎と冷気を防ぐ効果があって、副次効果として水面上を歩けるようにもなるの」
「ほう、良い魔法だな。それなら足を滑らせて溺れる事も無いな」
「ええ。本来は術者のみの効果だけど…特別に周囲の人にも効果が及ぶように講呪してもらったわ。だから、私の側から離れないでね」
「よし、分かった」
ルーシスが私の隣にぴったりとくっつくと、ロードも同じように側に寄った。
両脇に男性二人が密着するこの状況がなんだか可笑しくて、思わず笑ってしまう。
「ご、ごめんなさい…その…こんなにくっつかなくてもいいんです」
「そ…そうだよな、すまない」
慌てて離れるロード。
「ルーシスも…」
彼は懇願するように私を見返した。
「…寒いのだ。私はこのままで行くぞ」
私と腕をがっちりと組んで離れようとしない彼に苦笑し、先へ進むことにした。


流氷を難なく渡り、雪原を千里眼の道筋どおりに進むと、セプティマスの棲家らしき場所が見えた。
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「道筋はあそこで途切れた。間違いないわね」
近くにはセプティマスが使ったらしき小船が置いてある。氷に囲まれた一隅に住んでいることには理由があるのだろうか。
「よくもまあ、こんな場所に住めるものだ…」
「ハイ・フロスガーで生活してた人がよく言うよ」
ルーシスが歯を鳴らしながら話すと、ロードが笑った。

扉を開け、中に入る。思ったより広い空洞は、外よりも暖かい。
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奥には人がいる。声をかけて下りた。

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「客人とは珍しい。いや、初めての客人だ」
「あなたがセプティマス・シグナスですね? 星霜の書に詳しいと聞き、訪ねて参りました」
「星霜の書か。いかにも。帝国だよ。彼らはそれを持って姿をくらました。あるいはそう思っているだけかも知れん。彼らが見たものを持ってな。彼らが見たと思っていたものを持って」
突然訪ねて来た私たちを試しているのだろうか。彼は難解な話し方をする。
「書に詳しいあなたなら、そのありかをご存知なのではありませんか?」
「そうだ。私にはひとつ心当たりがある。忘れられたもの。没収されたものだ。だが私は取りに行けない。かわいそうなセプティマスはな。なぜなら…手が届かないところへ行ってしまったからだ」
「手が届かないところ? それはどこへ…」
「ここだ。この次元だ。ムンダス、タムリエル。相対的に言えば、すぐ近くにある。宇宙論的な尺度で言えば、すべてが近隣なのだ」
彼の話を聞いて納得した。あの考察本は、星霜の書を考察してあのような難解な文章になったのではなく、元々彼自身が非常に難解な…計り知れない尺度で物事を見ているのだと。
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セプティマスは続けた。
「星霜の書は深遠よりもさらに深い明察を与えてくれる。開放をもたらすためのな。その構造が分かるぐらいにこの目で見た。縦糸は空気で横糸は時間だ」
難解な話を聞いていても埒が明かない。本題に入るよう迫った。
「星霜の書が現在どこにあるのか…はっきりとは分からないのですか?」
「積木はお互いを支え合っている。セプティマスはお前がほしいものを与える。お前はその代わりにあるものを持ってくるのだ」
「…分かりました。私は何をすればよいのでしょうか」

彼は空洞に存在する奇妙な物体のそばに行った。
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「このドゥーマーの傑作が見えるか? 彼らの偉大なる知識の深遠だよ。セプティマスは人間の中では賢者だ。だがドゥーマーと比べればただの愚かな子供にすぎない。ドゥーマーで最も愚かな者と比べてもな。だから彼らが星霜の書の読み方を残してくれたのは幸運なのだ。ブラックリーチの深遠においてな」
「ブラックリーチ?」
「ドゥーマーの街が眠っていた場所の上にある鋳造物。隠された知識が保管された憧れの尖塔」
「それは…どこにあるのでしょうか」
「深遠だ。暗闇の底。隠された砦。ムザークの塔。アルフタンド。穴の開いたところ、最初に進入した時に、軽く突いて開いた穴。その境界まで進め、さすればブラックリーチはその先にある」

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「だが誰もが入れるわけではない。錠を緩めて死の岩の下を飛ぶための隠された鍵は、このセプティマスだけが知っている。2つのものをお前に授けよう。2つの形だ。ひとつはとがっていて、もうひとつは丸い」
セプティマスは2つのパーツを持ってきた。
「それが鍵になるのですか…。どうやって使うのでしょう」
「丸い方は調律のためだ。ドゥーマーの音楽は柔らかくて繊細だ。彼らの知恵が施された門を開けるために必要となる。とがった辞典は刻み込むためのものだ。我々にはただの金属の塊だが、ドゥーマーにとっては知識の巨大な図書館となる。ただし…空っぽのな」
「…よくは理解できませんが、分かりました。そこに行けば何とかなると信じます」
彼からそれらを受け取った。
「ムザークと空のドームを見つけろ。そこにある仕掛けが書を読み解き、キューブに知識を注ぎ込む。このセプティマスを信じろ。お前なら知る事が出来るだろう」


星霜の書を手に入れたら2つのパーツを持ち帰ることを約束し、セプティマスの棲家をあとにした。
来た道をもう一度辿ってウィンターホールドに戻る。
宿屋で温かい食事をとり、一息ついてから明日の予定を三人で話す。
「アルフタンドの場所は千里眼の魔法で何とかなるけど…。ブラックリーチとはどんな所なのかしら」
「分からんな。セプティマスの話だと、おそらくこのスカイリムには巨大な地下空洞があるのだろう。ドゥーマーの街か…。今まで色々な場所を見て回ってきたが、ドゥーマーの遺跡に入ったことはない。ロード、お前はどうだ?」
ルーシスが尋ねるとロードは首を振った。
「全員にとって未知の世界ですね…。用心して向かいましょう」

食事が終わり席を立つと、ルーシスが呼び止めた。
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「メル。お前、分かったか?」
何のことか分からず首をかしげる。
「セプティマスの話だ」
「……。全てを理解することは出来なかったわ。ただ、私の求めていた星霜の書の手掛かりは掴めたから…安心した」
「そうだな。…彼はドゥーマーに深入りしすぎてああなってしまったのだろう。知識を求めすぎた結果なのかもしれん。お前は…取り憑かれるなよ」
神妙な面持ちで一言付け足したルーシスを不思議に思いながら、「大丈夫よ」と笑って見せた。
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