54話 - エルダーの知識(4) - スポンサー広告Skyrim RP日記  

空と雪と葡萄色

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Bymagmel

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54話 - エルダーの知識(4)

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Bymagmel

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翌日、宿屋の主人に教えて貰ったとおり北へ進むと、ドーンスターが見えてきた。

荷物になるので買出しはウィンターホールドですることに決め、早速船の手配をする。
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一人装備を新調したいと言って別行動を取っていたルーシスが戻って来た。
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「待たせたな。どうだ、この防具。なかなか良い感じだろう?」
白を基調とした衣装に赤が映える。肩当ての装飾の細かさから、決して安くない物だと確信した。
「似合ってるわ。…いつも思うのだけど、装備を新調するお金はどこから出ているの?」
「盗んできたと思っているのか?」
慌てて首を振る。
「まさか。頻繁に装備を整えているし、私の服代や宿代も出してくれているでしょう? お金のやりくりはあなたに任せっきりだけど、大丈夫なのかしらとふと思って」
「お前が心配することではない。なに、若い頃荒稼ぎしていたからな。貯えは充分にあるのだ」
そう言ってルーシスは懐から小さな皮袋をちらりと見せた。およそ大金が入っているようには見えないが、敢えて中を確かめようとはしなかった。
「そうなの…。ありがとう、落ち着いたらこの借りはきっと返すわ」
「期待してるぞ。倍返しで頼む」
そう言ってニヤリと笑うルーシスにつられて笑った。

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出航までの待ち時間、船長から白湯をいただき身体を温めた。
同じ船に乗る行商人は、ホワイトランからやってきたそうだ。
「ホワイトラン…リディアはどうしているかしら」
「そういえば、あれからホワイトランには立ち寄っていないな。リディアはドラゴンズリーチで宮殿の警備をしながら待機しているだろう」
ルーシスがそう言うとロードが笑った。
「もしかしたら退屈しのぎに近場の山賊退治にでも行ってるかもな」
三人で話していると、行商人が声をかけてきた。
「あんたたちも機会があればホワイトランに行ってみなよ、花が満開だぜ」
「花?」
「しばらく枯れていた大木があったろう? あれが数日前に花を咲かせたのさ。実に見事だったよ」
「ああ、ギルダーグリーンの樹に花が…。それは是非とも見てみたいですね」
どうやって花を咲かせたのだろう。不思議に思いながらも、今度ホワイトランに行く楽しみが一つ増えた。
商人が荷物を積み終わり、準備が整うと船はドーンスターを出た。


穏やかな海を進むこと数時間、ウィンターホールド近くの桟橋に到着した。
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「今日は天気が良くて雪も降りそうに無いわね。一度ウィンターホールドに戻るより、このままセプティマスの所へ向かうほうが効率が良いと思うのだけど、どうしましょうか?」
空模様を確認したあと、彼らに同意を求める。
「そうだな。お使いは早めに済ませて、ウィンターホールドでゆっくり休もう」
ルーシスがそう言うとロードも頷いた。

大体の場所は覚えていたので、千里眼の魔法を使うことなくセプティマスの棲家に着いた。
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中へ入り声をかけると、彼は待ちかねていたのか少し落ち着きのないそぶりで私の側まで来た。
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ムザークの塔で使用したパーツを取り出して見せる。
「あなたの言うとおり、辞典に刻み込んで持ち帰ってきました」
「おお…。渡すんだ、早く」
私からそれを奪い取るように手に取ると、彼はまじまじと見つめ何かを確かめている。
「そうか、だがドゥーマーはこのセプティマスの予測を超えていた」
「何か分かったのですか?」
こちらに目もくれず辞典に見入っている。
「これは解読に時間がかかる。行くがいい。必要がある時はセプティマスがお前を見つけるだろう」
「…私の役目は果たしました。もうお力になれることはないと思います」
そう言ってその場を立ち去ろうと出口に向かう途中、振り返って訊ねる。
「何故、そこまでして箱を開けたいのですか?」
セプティマスはようやく顔を上げた。
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「箱の中には心臓がある。神の本質が」
「…神?」
「私は生涯を星霜の書に捧げてきた。だが神の全てを包み込む精神と比べれば、書が記す知識など一瞬の覚醒に過ぎない。最後にそれに触れたのはドゥーマーだ。ネレヴァリンによって破壊されたと考えられていたが、私の主は違うと言っている」
「主? 誰かに仕えているのですか?」
「知られざるデイドラの王子、ハルメアス・モラだ」
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「デイドラの王子…」
その名が出た瞬間、空気が変わったことを肌で感じた。
「王子と話をするまでは、知るべき秘密はもう残されていないと思っていた。王子は代償を求める…彼の意思に従う事だ。殺人、異議の蔓延、疾病…秘密のためなら私は耐えることができる。そして彼は私をここに連れてきた。箱のところへ。だが開け方を教えてくれない。非常に腹立たしい事だ」
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「……」

肯定することも否定することもせず、黙ってセプティマスの棲家を出た。
「彼は、知識欲をデイドラに利用されているのでは…」
独り言のように呟く。
「それもあるのだろう。だが、デイドラに仕えて秘密を得ることを望んだのはセプティマス自身だ。第三者が止める事など出来ん」
ルーシスが言う。
「デイドラは代償を求めると言っていたわ。知識を得られた先にあるものなんて…」
「死。あるいは地獄の苦しみか」
心臓が跳ねる。
「彼は…それで幸せなのかしら…」
「さあな。メル、お前はこの先どうする? セプティマスは再びお前に協力を頼むかも知れんぞ」
「…彼に関わっていくことでデイドラと繋がりを持つことになるかもしれない。それだけは避けたいの。…私が接触することで、私以外の誰かを巻き込みたくはないから」
「セプティマスから懇願されたとしても?」
ルーシスに目を合わせ強く頷いた。
「…私は身を滅ぼす知識なんて要らないと思っている。ましてデイドラの力を借りてまで…。彼に会うのは今日が最後よ」

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黄昏の空を全員で見上げる。
「とにかく、ウィンターホールドに戻ろう。しっかり休んで、明日に備えないとな」
ロードは、気持ちを切り替えるようにそう言うと先に歩き始めた。


途中ちらちらと舞っていた雪も止む頃、ウィンターホールドに到着した。
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Comments - 3

もきゅ  

まぐめるさんの主人公達は時々着替えるので、次はどんな衣装になるのかな~って楽しみだったりします(^^ゞ
くそっ、ルーシスがカッケェ!

いよいよそのときが近づいてきましたね~(๑╹ω╹๑ )

2017/11/17 (Fri) 21:25 | EDIT | REPLY |   

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2017/11/18 (Sat) 13:54 | EDIT | REPLY |   

magmel  

Re: タイトルなし

>もきゅさん

ありがとうございます(*'▽'*)
キャラに似合う(+自分好みの)衣装を探す時って凄く楽しいですよね♪
ルーシスの着ている衣装も凄く格好良くて、しばらくこの衣装のままでいこうか迷うくらいですw

いよいよですよ~(`・ω・´)
ちょっとドキドキしてます(行き当たりばったりな話作りという意味で…^^;)

2017/11/18 (Sat) 20:54 | EDIT | REPLY |   

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